HIOKI RECRUIT

社員と仕事

製品開発ストーリー vol.1

社員プロフィール

技術部 技術4課 主任 2006年入社

高橋俊毅

PW3365開発ストーリー

PW3365開発のきっかけを教えてください。

これまでの電力計は、被覆電線の上から電流を安全に測ることはできましたが、電圧を測ることはできませんでした。そこで、HIOKIではまず、電圧を被覆電線の上から測れる技術を開発し、非接触電圧計としてセーフティハイテスタ3258を2008年に発売しました。その技術を電力計に応用したのがPW3365です。当初から電力計への応用を視野に入れてスタートした技術開発ですが、実際に取り組んでみると課題が多く、電力計の完成までに多くの時間を要しました。

 

 

「クランプオンパワーロガー PW3365」とはどんな製品ですか?

 

世界一安全な電力計です。電力計とは、文字通り、電力を測る測定器です。
「電力使用量〇%削減」という言葉をよく見たり、耳にします。これらについて、どうやって検証しているのか、皆さんは考えたことがありますか?検証方法は色々あると思いますが、その中の一つが「電力計を使って電力を測ること」です。きっと今日も、どこかの工場では、去年と今年の電力使用量を比較しながら、何%削減できているか検証しているでしょう。また、どこかの施設では、照明をLEDに変えたことで、どれほどの省エネ効果があったか検証しているかもしれません。弊社の電力計はそんな場面で活躍しています。
電力計を設置する際に注意しなければいけないのは、感電事故などの事故を起こさないことです。電力の測定には、電圧と電流の2つの要素を測定する必要があります。電圧については、人が触れると感電のおそれがある金属露出部でしか測定することができませんでした。
しかし、この製品は、人が触れても安全な被覆電線(ケーブル)の上から電力(電圧と電流)を測ることができます。金属に接触しなくても電力を測れるため、非接触電力計と呼んでいます。PW3365は世界初の非接触電力計であり、世界一安全な電力計です。

開発にあたって苦労したことは何ですか?

もっとも苦労したことは、環境(周囲温度や湿度、ケーブルの太さや種類など)が変わっても安定して測れるようにすることです。

製品の使用可能温度は50℃までとなっていますが、最初のころは、40℃で測定値が大きく変わってしまうような状態でした。それを改善できたと思えば、次は低温での動作が不安定になったり・・・。被覆電線の状態(太さや種類など)によって、測定値が変わってしまうこともありました。一つ解決しても、また新しい問題が発生するということの繰り返しで、終わりが見えない時期もありました。

試作が実用レベルになってきた段階では、フィールド評価を積極的に実施しました。試作品をお客様に貸し出して実際に使っていただくのが、通常のフィールド評価です。今回はそれに加え、自分たちでも何回も使ってみました。一時期は毎日のように近隣企業を訪問し、あらゆる使用環境を想定しながら、様々な場所で測定しました。近隣企業の方は、急にお願いしても、いつも優しく迎えてくれました。

新しい技術の製品であるため、すべてが初めての経験であり、苦労の連続でした。その分、やりがいを感じることも多かったです。

発売後、お客様の反応はいかがでしたか?

受注開始日にたくさんの受注をいただけたことは非常に嬉しかったです。受注第一号は九州のお客様でした。製品の安全性を高く評価していただき、お客様自ら社内用のPR資料を作り、会議の場でPW3365を紹介してくれたそうです。それを知った時に、そのお客様に直接会ってお話を聞きたいと思い、発売後にすぐに九州へ向かいました。 

フィールド評価にご協力いただいたお客様の多くが、発売後に購入してくださっていることも非常に嬉しく思います。どんなお客様でも嬉しいのですが、実際に会ったことのあるお客様だと、より一層嬉しいと実感しました。

最後に、学生の皆さんへ一言お願いします!

どんなに素晴らしい技術でも、それを世の中に広める人がいないと意味がありません。新しい技術そのものを作り出すことは、理系の方が得意かもしれませんが、それを広めることに文系・理系は関係ありません。あまり難しく考えず、少しでも気になったら、HIOKIにエントリーしてみませんか? 

 最後に皆さんにお願いがあります。皆さんの柔軟な発想で、今回紹介したPW3365の愛称を考えてください。思いついたら人事課へご一報を。良いものはカタログに採用させていただきます。

●JECA FAIR 2014製品コンクールで「国土交通大臣賞」を受賞!

 

PW3365開発スケジュール

2009年
・開発部で要素技術の開発スタート
2011年~2014年
・試行錯誤を繰り返し、試作ができてくる
・発売までに、約200項目の評価試験を行う
・社内の評価試験と並行して、フィールドテストを開始。 全国の様々なお客様に実際に使用していただく
・発売に向けて、プロモーションを本格化。チラシ、カタログなどの配布開始。プロモーションビデオ作成
2014年5月
・JECA FAIR 2014 製品コンクールに出展
2014年6月
・発売日前日  JECA FAIR 2014製品コンクール「国土交通大臣賞」 受賞
・2014年6月20日 発売
2014年10月
・グッドデザイン賞BEST100 「未来づくりデザイン賞」 受賞
2015年7月
・第45回機械工業デザイン賞 「審査員特別賞」 受賞
2015年10月
・ ドイツのデザイン賞「German Design Award 2016 Special Mention」受賞
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